ちょっと一言

為替相場や株価に左右されない強い国内経済に向けて

2013年2月25日

「円高では、輸出が低迷し、下請単価の切り下げにつながる。円高では、原材料費が上がり、単価が上がらないので、下請け企業の負担になる。為替相場に左右されない経済の道はないのか」中小企業者の声です。
ヨーロッパでは、小企業憲章を制定し、小企業は、欧州経済のバックボーンであると明確に位置づけ、アメリカ型グローバル経済に対抗して、国内経済の基盤をしっかりと固める取り組みを進めてきました。その結果、リーマンショック以前の状況に戻りつつあるということです。
国内経済に軸足を置いた経済政策が必要ですね。

 

<2008年4月16日(水)「しんぶん赤旗」 より>

「ヨーロッパ小企業憲章」って?


〈問い〉 EUは「ヨーロッパ小企業憲章」というものを定め、小企業を大事にしていると聞きました。この憲章がどんなものか教えてください。(大阪・一読者)

〈答え〉 ヨーロッパ小企業憲章は、2000年6月、ポルトガルのサンタマリア・フェイラで開かれたヨーロッパ連合(EU)理事会で採択されました。特徴は、従業者数が10人から49人の小企業に焦点をあてていることです。(EUは、従業者250人以上を大企業、50人~249人を中企業、10人未満をマイクロ企業に定義している)

憲章は、小企業こそ、「ヨーロッパ経済の背骨」であり、「雇用の主要な源泉」であり、「ビジネス・アイデアを産み育てる大地である」と、ヨーロッパ経済におけるその地位と役割を明記。この立場から「小企業が最優先の政策課題に据えられてはじめて、新しい経済の到来を告げようとするヨーロッパの努力は実を結ぶだろう」とし、加盟諸国にたいし、以下の10項目の行動指針を提起しています。

(1)企業家精神のための教育と訓練(2)費用や時間のよりかからない開業(3)より良好な法制と規制(4)技術・技能の習得(5)オンライン利用の改善(6)単一の市場からのより多くの成果の実現(7)税制と金融問題(8)小企業技術能力の強化(9)成功するe―ビジネスモデルと最優良小企業経営の支援(10)EUおよび各国レベルにおける小企業の利害のより強力でより効果的な代表の発展。

EUでは、憲章にもとづく課題を各国がどこまで実施しているかの報告を毎年出し、促進をしています。このなかで、中小企業者の積年の要求であった「商取引の支払遅延対処のための指令」の採択、雇用拡大を実施する中小企業の投資計画への利子補給などが実現しています。

小企業憲章の制定の背景には、リスボン戦略と呼ばれるEUの経済戦略の具体化という面があります。EUの経済戦略とは、00年3月、リスボンで開催されたEU首脳会議が、アメリカのグローバル戦略に対抗し、10年までにEUを「よりよい職業をより多く創出し、社会的連帯を強化した上で、持続的な経済成長を達成しうる、世界中でもっともダイナミックかつ競争力のある知識経済」地域に発展させるという目標を定めたものです。

同時に、憲章の制定には、80年代から90年代のヨーロッパ経済の困難、とくに深刻な失業問題に直面したEUが、中小企業による雇用機会拡大の可能性に注目した政策を展開してきた歴史的な積み上げが生み出したものでもあります。また、この制定には、欧州クラフト・中小企業同盟などEUにおける中小企業者団体の運動があったといわれています。日本でも、中小企業家同友会全国協議会、全国商工団体連合会などが、中小企業憲章の制定を要求して活動しており、日本共産党も中小企業政策の柱の一つに中小企業憲章制定を掲げています。(吉)

〔2008・4・16(水)〕