議会活動報告

第2回川崎市議会臨時会で殿町土地取得議案について代表質疑に立ちました。

2010年4月14日

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本日、臨時議会が開かれ、私は、議案第76号殿町3丁目地区中核施設用地の取得について、代表質疑に立ちました。

川崎市が、殿町の土地1.3ヘクタールを23億円で取得

内容は、羽田空港再拡張に伴う神奈川口構想の中核施設とするためのものとして、川崎市が都市再生機構より、1.3ヘクタールの土地を約23億円で購入するものです。

私達は、今回の土地取得が、住民の福祉増進をはかるべき自治体の役割に照らして、最優先に取得すべきものなのか、また、自治体としての産業政策として、市内経済の落ち込みを立て直すために最優先に取り組むべき課題なのか、という観点から検討されなければならないと考え、質問を組み立てました。

まず、第1段階整備で、都市再生機構から、民間が直接取引をして土地を取得して移転することが可能であるにもかかわらず、わざわざ川崎市が購入した上で民間に貸し出すという仕組みにしたのはなぜかという問題です。

そもそも、民間でできることは民間でと言っているわけですから、自治体が関わる必要はないわけです。

この質問に対し、事業計画の説明を繰り返すだけで、なぜ自治体が関わる必要があるのかについては納得のいく説明がありませんでした。

また、第2段階整備で、貸した土地に民間が建てた建物の床を市が借り受けるという複雑な仕組みにしたのはなぜか、という質問に対して、産学公民が連携して、環境ライフサイエンス分野の拠点形成に向けて早期事業化をはかり、民間の資金とノウハウを活用し、企業・大学等の立地促進を図るため、と答えるのみで、どこの企業や大学を誘致するのかについても、市が土地を買い取ってまで“誘致”する必要があるのかについてもまともな答弁はありませんでした。

このことは、他会派からも市民に分かりにくいと指摘されるほど、どう考えてもおかしな計画です。

結局、慎重な検討もないままで事業化先にありきでは、かつてのマイコンシティーの二の舞になりかねません。

市長は記者会見で、「日本の成長戦略をけん引するような研究機関を集めたい。そうなれば、ホテルやコンベンションなどの提案も自然に出てくる」としていますが、現実には、実中研が中核施設としてようやく位置づけられただけです。

成長戦略をけん引するような研究機関の立地も、どのように位置づけられるのかは未知数で、それを前提に、ホテルだ、コンベンションだと、構想を膨らますためには、自治体としての莫大な投資を前提とすることは必然で、その結果どういう展望が開かれるのか、何も担保できるものはなく、一か八か賭けてみるしかない。はっきり、決まっているのは企業誘致のために莫大な資金を投入することだけだということが明らかになりました。これでは、到底、市民の理解と納得は得られないと考えます。

さらに、第3段階も同じようなスキームで企業誘致を図るのではないかとの質問に対しても、「進捗状況に合わせて今後検討する」と答えるだけで否定しませんでした。これでは、企業を誘致するために川崎市が土地を購入して進出企業に貸し付けるスキームを際限なく続けることになることは明白です。今からでも遅くありません。こうした全体計画を即刻見直すべきです。

自治体の産業政策としても問題あり

市長は、市内中小企業を優れたものづくり技術を有し、日本のものづくりや川崎の産業を支える重要な存在として認めましたが、今まさにその市内中小企業を中心とするものづくりが、ひん死の重傷に陥っているわけです。

「中小企業の活力向上に向けて総合的体系的に取り組んでいる」ということですが、川崎市として実効性のある中小企業支援が切望されているときに、いま切実に求められている中小企業に対する「固定費」補助についても検討せず、新年度の中小企業予算については、融資を除けば約10億円で一般会計の約0.2%でしかなく、今回の土地取得予算の半分以下です。これでどうして実効的支援ができるでしょうか。現実に、ものづくり技術の衰退に歯止めをかけられないではありませんか。

また、全国の自治体で、同様の先端医療研究事業について補助金を交付して、競い合うように研究が取り組まれています。

ライフサイエンス分野の産業が、我が国の国際競争力を高める未来産業であり、中長期的に中小企業を支えていくものということですが、そういう触れ込みで、全国各地でライフサイエンス分野の特区や産学公民連携事業が進められています。

他都市の事例でも明らかなように、ライフサイエンス分野として、研究開発は行っても、産業化を図る必然性はないわけですから、市長の言うように将来の市内中小企業を支えることができる産業どころか、産業として根付くことすらままならないものです。

研究活動を自治体が支援することを一般論として否定するものではありません。しかし、基礎研究分野というのは、成果が上がるまで長い年月をかけ、莫大な費用をかけても形にならないことも多々あるわけです。そういう分野については、当然国が取り組むべき分野であり、1自治体が取り組むには、極めて冷静な判断がもとめられ、慎重の上にも慎重を期すべきと考えます。

純粋に研究を支援する程度の取り組みに見直すべきです。

土地取得に関連してマスコミも、連絡道路の大田区との協議が進んでいないことを上げたことに対して、市長は、「国際化で周辺道路の混雑などが出てくれば、展開は変わるのではないか」と述べていますが、だとすれば、混雑を緩和するために交通量を呼び込むことが前提となり、そのような位置づけなら、連絡道路を整備すべきではありません。事業計画の見直しを求めました。