活動レポート

地震発生から今日までの取り組みと見えてきた課題

2011年3月20日

日本共産党川崎市会議員・防災士   佐野よしあき

<はじめに>

地震発生後は、川崎市役所第2庁舎で会議していた。突然のゆれで、1分程度で治まると思ったら、3分以上続く強い揺れに常識が覆された。

控え室は、本棚が倒れ、書類が散乱し、足の踏み場がない状態。

次の余震が来ることを恐れ、すぐに本庁舎前の駐車場に避難しました。

ヘルメットを持っていたのは、私だけでした。

家族の安否を確認しようとしたが、電話がだめ、メールもだめ、災害伝言サービスに登録した。災害伝言ダイヤル171にかけたが、ケイタイからではだめ。

幸い、子どもたち、妻、すべて川崎区内にいたことから、すぐに再会することができた。帰宅困難者の中で、家に帰れず、子どもたちだけを残す親、高齢の親を残す人たちが、大変だったということを伺っています。

<地震発生後に取り組んできたこと>

今、何が求められているのか。今、何ができるのか。何を一番大事にしなければならないのか。刻一刻と変わり続ける情勢に、果たすべきものを明確にして取り組んできました。

①災害対策本部の立ち上げ
・ 川崎南部地区委員長を本部長に、災害対策本部を立ち上げた。

②市内の被害状況の確認
・ エレベーターの閉じ込め
・ 3箇所の水道管破裂 その後も漏水が各地で発生
・ 臨海部の液状化
・ 川崎体育館、大師中学校の一部破損
・ ミューザの天井が落下
・ 第二庁舎が記者室崩壊
・ 本会議場傍聴席が立ち入り禁止
・ ブロック塀の倒壊
・ 石油タンクの液漏れ
・ 化学系工場でのガス漏れ
・ 潮位の変化 50センチ潮位が上がった後、2m下がる

③支持者の安否確認

・ 知り合いにメールや電話などで確認する。
・ 親戚が郡山にいる。
・ 支部の皆さんと地域を回った。

④ 情報弱者への情報提供

・被災状況などの災害情報を提供している。
・計画停電の地域、予定を出している
・町内会への計画停電のお知らせを行った。

⑤ 悩み相談活動

・訪問活動を通じて、悩み相談を行っている。
・災害時の対応についての問い合わせに答えている。

⑥ 避難者への支援

・いわき市からの避難者20名を避難所に誘導
・寒さに震える避難者に、物資の提供、食事の提供
・場所の移動を要請し、とどろきアリーナへ移動できた

⑦ 被災地への物資の輸送

・いわき市からこられた避難者からの要望を聞き、町内会、福島県人会、PTA、商店街、後援会の人達に伝えたところ、急遽、救援物資の輸送することになりました。1日で手配し、半日で準備し、19日現地救援物資が集まる、いわき市平の競輪場まで届けていただきました。要請を受けて2日で達成。「何とか助けたい」という市民の思いを結ぶことで、思いもかけないことができると実感できた。

⑧ 街頭での防災情報の宣伝、募金活動

・ 12日午後川崎駅頭で行動。80分で22万円が集まった。
・その後も実施。
・計画停電の日程については、号外のようにビラがはけた。
・1000枚単位ではけていく。

⑨ 地域での防災活動 掲示板への情報掲示、ハンドマイクでの放送

・町内会の防災部長として、田島支所に、町内会ごとの計画停電グループの割付を表にしてもらい、町内会掲示板にはる。
・計画停電の日程を貼り付け、特に実施が濃厚なところについては、宣伝カーで宣伝して回る。
・医療用電源の必要な人への発電機の準備

⑩ 川崎市への申し入れ

・これまでの課題を整理して、市長に申し入れる(すでにホームページに掲載済み)

<地震発生から1週間がたって見えてきたこと>

1、防災対策は?

①被害状況の確認体制は?

・ 危機管理室が統括して管理しているが、区役所や、消防署など出先にはほとんど情報が伝わっていない。

・ 上下水道や病院、それぞれ縦割りごとの内容を連携することができていない。

・ コンビナートの企業内の被害については、報告されたもの以外は、調査されていない。広域的な災害に対応できない。

②指揮命令系統の確立は?

・地震後から、川崎市の防災情報の課題。安定するまでの間に時間がかかる。

・帰宅困難者が大量に発生したときの体制について。

③ 市職員の人員配置は?

・人員削減の影響で、災害時に対応する職員が不足している。

④ 民間との連携による効率的な運営は?

・避難所の運営を見ていると、行政改革の影響か、職員体制に余裕がないように見受けられる。役割分担を明確にし、立ち上げた後に、民間ボランティアを活用するなど、検討すべき。職員ばかりに負担が増え、疲労困憊している。

⑤ 市民への情報発信は?

・ インターネットのみの情報発信になっている。情報弱者には、情報が伝わらない。

・メールなどで、川崎小学校で非難できるという情報が出たら、川崎小学校に自主的に避難してきた人たちが大量に集まってきた。災害時の担当者ではない学校の先生などが、夜中まで対応に追われる。保育園などが帰宅困難な保護者のため、子どもたちを一晩預かった。

・ 市、町内会の掲示板を活用して、紙ベースの情報を通じて伝える体制をつくるべき。

2、計画停電については?

①電力不足について、それぞれがどのくらい協力すれば、回避できるのかということを まず考えるべきだったのではないか?

②どの地域なのか、限定されていない。時間についても徹底されていない。問合せ先にかけても、まったく通じない。
・たとえば、地図に色分けをして提供するなどわかりやすい情報提供が求められる。

③高齢者・障害者などの弱者への対応がまったくない。
・人工呼吸器の人たちに対しても、対応できない。

④犯罪の温床になる危険性を考えるべき
・夜間の停電は、交通事故だけではなく、あらゆる犯罪の温床になる恐れがある。
やらざるを得ないとしても、夜間の停電は中止すべき。

3、都市計画については?

・高層マンションという新たな災害
・簡易型階段昇降機の設置、一定階ごとの防災倉庫の設置を提案してきたことが、実証された。
・長周期地震動対策についても、かねてより指摘されてきたが、早急に対策を取らなければならない。

4、臨海部コンビナートは?

① 臨海部の軟弱な地盤の問題が改めて浮き彫りになった。
・埋立地護岸の耐震補強を急ぐべき

② コンビナートの被害について、報告されなければわからない恐怖。
・臨海部労働者からの報告では、川崎市に報告されていないところで、相当程度被害がある恐れがある。早急に 臨海部の総点検を行政も一緒に行うべき。

<今後の対策と課題>

① 救援活動の強化
・未曾有の危機に対して、国民をあげての継続的な対応が求められる。

② 避難者への対応
・原発の放射能からのがれてこられた方たちに対して、住宅が提供されないという問題について、正していかなければならない。

③ 情報弱者への引き続く対応
・紙ベースの掲示による情報提供と同時に、行政、民生委員、福祉事業者等と連携を取って、情報弱者への対応を強めることが必要。

④ 地域経済の落ち込みに対する対策
・地域内での循環型の経済政策で乗り切ることが求められている。
・被災地の復興が優先されるあまり、建築資材などが窮乏する可能性がある。新築などが控えられることが予想され、リフォームによる対応が求められる。
地震等の被害により壊れた箇所の住宅点検、応急補修など地域経済を維持するための経済対策を講じるべきです。

⑤ 防犯対策
・義援金詐欺の防止啓発活動や、計画停電中の犯罪などを未然に防ぐために、夜間停電の中止や、自治会などのパトロール活動が求められる。

<今度の地震が明らかにしたこと>

1、防災の常識をことごとく覆した。備えることの水準を見直す必要がある。

・ 行政、民間、企業、市民がそれぞれどのように対応しなければならないのか、改めて見直すことが必要。市民の防災意識の向上が欠かせない。市民防災学校など。
・ それでも、住宅の耐震化など基本的なことについては変わらない。

2、原子力政策の問題点を改めて浮き彫りにした。

・今は、命がけで取り組まれている方々の努力が実り、一日も早く事故が沈静化する事を願うばかりです。
・2007年に、 に新潟中越沖地震による柏崎刈羽原発の事故を受け、日本共産党福島県委員会、同県議団などが、東京電力に対してチリ地震のような津波には対応できないことが明らかになったことをあげて「福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ」を提出していた。

・福島第一原発への緊急消防援助隊の派遣について、本来、国が対応すべきことなのに、なぜ川崎市が受けなければならないのか、自衛隊でさえ危険な活動に、なぜなのかという憤りと、ご家族のことを思うと悔しくて言葉になりません。できることなら受けてほしくないというのが率直な思いです。任務を途中で断念することも、大切な決断です。くれぐれも、くれぐれも派遣される隊員の皆様のことを最優先にしてください。

3、アメリカ軍優先の状況を浮き彫りにした。

・ 原発事故に、原子力空母を派遣する無神経さ
・ アメリカ軍の行動費は、思いやり予算
・ 米軍は計画停電対象外
・微量の放射能で日本海に退避してしまう

4、国民の総力を挙げて未曾有の危機を乗り切ることが求められている。

・国民は、みんな一日も早い復興を願っている。
・国の補正予算は308億円
・ 政党助成金は2010年で312億円。
・ 政党助成金を、被災者支援に回せ
・ 国民が、救援活動をやっているときに、東北6県などを除きいっせい地方選挙を行うおろかさ。

5、事態にどう道をつけ、未来を切り開くのか

・事態が起きると、「なるようにしかならない」「もうだめだ、どうしようもない」「あいつが悪い」「あいつのせいだ」という思いに駆られやすいが、そういう不安や恐怖が「買い込み」行動を引き起こし、不満や批判の思いが事態を混乱させます。非常事態をという状況の中で、現状を把握し、受け止め、果たすべき目標を設定し、求められているもの、できること、一番大切なことを書き出して、「なるようにしかならない」などの思いを転換し、多くの人と協力して成し遂げていくという作業が求められています。

6、「誰もがもてる可能性を輝かせて暮らせる川崎をつくりたい」という、私たちが掲げてきたことが今ほど求められているときはない。